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「それに、この店のことを信じて望んでくれたことも、きっと嬉しかったと思うわ」
そっか、私はこの店に来ることができて嬉しかったけれど、この店に行きたいと思ったことがニュクスにとっては嬉しかったんだ。
今は姿の見えない黒猫を想像して、今度会ったときにはしっかりお礼を言おうとひそかに誓った。
ふと窓の方に目をやると、見慣れないものが置いてあるのに気がついた。
「あれ?これって、この前私たちが拾ってきた貝がらとシーグラスですか?」
透明なビンのなかには水色や白のシーグラスがいくつか入っており、その上に小さめの貝がらがのせられている。その様子は、小さな海岸のように見えてとてもかわいらしい。
「ええ、この前少し時間があったからひとつ作ってみたの。素敵なものができてうれしいわ。本当にありがとうね」
大好きな場所にこうやって置いてもらえると、とっても嬉しい。頑張って集めて来てよかったと心から思う。
体の向きを元に戻そうと椅子の上でぐるりと回ると、もうひとつ見慣れないものを見つけた。
「あれ、それって前からありましたっけ?」
店の奥の方にあるテーブルの上に、綺麗なランプが置かれている。光が灯っていない今ですら、きっと美しいものなのだろうと思わせる色合いをしているのがわかる。複雑なモザイク模様は、夜になるとこれ以上ないくらいの存在感を放つに違いない。不思議と、どこか懐かしくも感じるランプだった。
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