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「凄い…当く『Extic Japan』だわ!!」
歩を踏み入れた途端。
満智子は、頓狂な叫びを挙げて瞠目した。
目の前には、広大な日本庭園が展がっている。絵葉書の様なその光景に、我知らず感嘆の溜め息が洩れた。
「見事なお庭…。何坪あるのかしら?」
職業柄、つい固定資産税の計算をしてしまう。宗教法人でなければ、到底払い切れない額面になるだろう。改めて、甲本家のスケールの大きさを惟う。
「えーと、お屋敷の玄関は…と。」
キョロキョロと辺りを見廻せば、遥か向こうに、これまた壮麗な日本家屋があった。その寝殿造りの建物は、真っ青な夏空に映えて、気位高く偉容を掲げている。
「呆れた…。まるで、平安貴族の宮殿じゃないの。一体どんな『お姫さま』が住んでいるのよ?」
茫然と独りごちた──そこへ。
「いらっしゃいませ。」
突然声を掛けられて、満智子はビクリと肩を跳ね上げた。
恐る恐る振り向けば…其処には、中学生と覚しき華奢な少年が立っている。満智子は、少し安堵して微笑み掛けた。
「こんにちは。貴方、ここの人?」
「はい。」
「そう、それは好都合だわ。ねぇ、君?良かったら、お屋敷を案内して下さらない??こう広いと迷子になりそうよ。お願い出来る?」
「ええ、ボクで宜しければ。」
少年は、華やかに笑って見せた。
刹那、満智子の胸がドキンと跳ねる。
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