[四段目]Vivace(ヴィヴァーチェ) 活発に。

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 その二日後──。 二人の男が、六星一座の本陣『美翠楼』を訪れた。警視庁特殊班5係の刑事、後村貴志と藤倉健介である。 客間に通された二人を迎えたのは、《土の星》の当主・向坂紫だった。対座するなり、鷹揚に胡座を掻いて後村に訊ねる。 「──で?」 「で?って、お前な…」 「何の用?? 俺も暇じゃないんだけど。」  面倒臭そうに問われて、後村はムッと眉間を皺立てた。 「おい、何の用とは随分じゃねえか。感動の再会だろ?少しは愛想良く出来ねぇのかよ??」 「後村さん、そんな喧嘩腰で… 」  冷や汗を掻きながら咎める健介に、紫は無表情な美貌を向けて言った。 「相変わらず下品なアトムは、ともかくとして──ケンケン?マイちゃんから聞いたよ、『エラー』だって?? 何それ、アンタって特異体質なの??」 「ぁ…いや、俺にも良く解らなくて…」 「だろうね。」 「──。」 鰾膠(にべ)も無く切り捨てられて、健介は片頬を引き攣らせる。紫は、(すこぶ)る不機嫌だった。
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