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「その黒縁の部分に様々なマイクロテクノロジーが組み込まれていて、視覚から脳の感覚野に作用するようになってるっす。厳密には思考の方が加速するもので、本人の動きも一緒に停まってしまいます。ですがそれをつければ、人よりも五秒間長く世界を見ることができます。問題は脳に膨大な負担をかけるので、理論上五秒以上停めようとすると脳が溶けることっすかね」
「本当にパンツを見る以外に使い道なくないか? しかもたかがパンツのために俺は脳が溶けるかもしれないリスクを背負ってこれをつけなけりゃならんのか?」
「パンツを見る以外にもたくさん使い道はあるっすよ。というか、人よりも五秒世界を長く見られることがどれだけ凄いことかもっと理解するためにもつけてください」
ぐるぐる眼鏡の奥の瞳が、いつもからは感じることのできない圧を放っている。珍しく強引なので、恐らく発明品の性能以上の何かがあるのだろうが、リスクが大きすぎるのでやっぱり躊躇う。
「これをつけたら、俺には五秒長く世界を見る以外になにかリターンがあるのかい?」
「う、ウチのパンツを見ることができるっす」
「いや、興味ないんだけど」
「おい、羞恥心を踏みにじって絞り出したウチの乙女心に謝れよ。興味ないとかうら若きJKに失礼っす!」
「お前がうら若きJKに謝れよ」
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