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気付いたら、社長子息、なんてことはどうでもよくて、飲みに行ったり、休日を一緒に過ごしたりする仲になっていた。
航は社内では、なかなか気が抜けないようで、宮原と出掛けるのも楽しみにしてくれていたようだ。
彼自身は、ハーフらしい綺麗な顔立ちと、明るい性格で、周りからとても好かれるタイプだったが、深入りはさせないように見えた。
だから宮原と仲良くするのも、宮原としては不思議、だったのだが、
航に言わせると、
「信頼出来る奴、とか、こいつならいいかもって、早めに分かるだろ?」
お前はそういうやつかなぁって思った、らしい。
そして、上総の事は、喫煙所で姿を見かけるので、顔は知っていた。
その1年程前、航に社内の仲間と飲みに行こう、と言われた中に、上総がいた。
最初は、航、先輩の北本、上総と佐倉の4人で飲みに行っていたそうだ。2対2では自分が入ったら、邪魔じゃないのか聞いたら、物凄い勢いで笑われた。
今なら知っている。航はツボると、笑いが止まらないタイプだ。
「そんなんじゃないから、来れば分かる。」
確かに、そんなんではなかった。
皆でちょっと愚痴ったり、面白いことを話したりしながら、美味しいものを食べる会、のようなもので。
初回はちゃんこ鍋だった。
いきなり鍋かよ、とは思ったが、もう店構えから諦めた。
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