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「さて、そろそろ解説が終わるかな。ご家族が心配するといけない。中に入ろうか。」
「はい。……あのっ、……あ、の、私少しだけ星に興味出たかも、しれないです。」
「本当?だとしたら、良かった。僕は君のクッキー、とても食べてみたいよ。アイシングクッキーね。」
「今度、来る時があったら、持ってきます。」
そう言ったけれど、いつか、一人旅が許されたら、真っ先にここに来て、クッキーを食べてもらおう、美空はそう思っていた。
美空が観測所の中に入ると、両親が観測所の中の人と話をしていた。
「美空ちゃん!退屈だった?」
「ううん。このお兄さんにいろいろ教えてもらっていたの。」
「お兄さんて……」
美空の後ろにいた片瀬は2人に頭を下げた。
「片瀬先生?!」
「先生とか止めてください。」
片瀬先生、と呼んだ父に、彼はガラではないから、と苦笑している。
「いや、ニュース見ました。おめでとうございます。」
「おめでとう?」
美空は首を傾げた。
「ついこの前、新しい星を見つけられた天文学のすごい人だよ。」
「そうなんだ!」
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