1.星空ツアー

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先ほどまで、ちょっと軽くて、子供のように無邪気でそれでいて綺麗な人、と美空は思っていたけど、それだけの人物ではなかったわけである。 「夢は叶ったの?」 美空が聞くと、彼は先ほどと変わらない態度で、 「まだまだだよ!」と笑った。 そうして、美空が帰る時、 「美空ちゃん、待って!」と声が聞こえる。 片瀬が美空を追ってきたのだった。 車に乗りかけていた美空は車から降りる。 「どうしたの?」 彼は美空ににこっと笑うと、首にかけていたネックレスを外した。 「君にあげる。」 「ありがとう。」 そうして首にかけてくれたそのネックレスのトップは、黒い石の中にキラキラと輝く何かが光っていて、とても綺麗だった。 「綺麗……。」 「それ、星のかけら、と呼ばれているんだ。美空ちゃん、君の名前の字の書き方を教えてくれる?」 「美しい空、と書くのよ。」 「美しい空、か。今度クッキー持ってきて。楽しみに待ってる。」 「300年はかからないと思うわ。」 美空がそう言うと、ふふっと彼は笑って、 「星になる前に食べさせて。」 と言ったのだった。
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