2.水と星

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「波瑠……さん?」 「彼氏とか出来たらどうしようって、思ってた。」 「だから、いません!ってば!……こんなこと、大声で言うことじゃないけど……」 「うん。メールで教えてくれて、ガッツポーズしちゃったよ。」 「もう、なにそれ。」 美空はくすくす笑う。 相変わらず子供みたいな人だ。 「だから、次に会ったら言おうって思ってた。僕が立候補してもいい?ただ、君の同級生とかみたいに、側にいてあげることは出来ない。それが無理なら……」 「諦めるの?」 「……うん。本当は側にいてあげたいけれど。」 知っている。 分かっている。 この人には大事なものがある。 それでも、その大事なものをそのキラキラとした瞳で追っている、子供のような姿が美空は好きなのだ。 美空は、くるりと後ろを振り返った。 波瑠と真っ直ぐ向き合う形になる。 柔らかく微笑んでいる波瑠は、相変わらず現実味がないみたいに綺麗。 「私、落ち着いていて、大人っぽいってよく言われるの。」 「そうだね。美空ちゃんは中学の頃からそうだった。」 「だから、ちょうどいいと思うわ。」 「ちょうど?」 「そう。波瑠さんは夢を追っていて。私はそんな波瑠さんといるから。」
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