出生

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1954年12月24日、クリスマスイヴの朝、10時頃私は産声をあげた。体重、3700㌘の当時にしては大きな赤ちゃんだった。父は製紙会社で建築士を、母は専業主婦だった。私は第一子で母にとって初めての出産。私が生まれるまで一晩かかったそうだ。母方の祖母に大きなお腹をさすってもらっていたそうだが。「先生、生まれるんでしょうか」と思わず言った母に「生まれんでどうする!」と励まされたとか。ただ私は臍の緒が首に絡まり産まれたとき声を発しなかったようで。この世に産まれたくなかったのかな~、と思ったりする昨今である。大人になり聞いたことだがベッドの母に父、額にキスしたそうだ。素晴らしい冬晴れで街はクリスマスソングで満ちていた。母は23才だった。色々な本や思いで私の名は佳子(よしこ)と名付けられた。その当時は子のつく名が主流だった。
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