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ゆっくりと唇を離して、舌が離れる。
「ひよ」
「ん?」
今なら聞きたかった事が素直に聞ける。
「昨日学校でその、野球部の誰かに、何かされなかったか?」
ひよりの目が、泳いだ。
「あの、えと……」
明らかに答えに困ってる。確か、高橋のやつ、付き合ってくれ、って言ったとか誰かが言ってたな。
冗談じゃないぞ。でも、俯いてしまったひよをこれ以上問い詰めて、泣かしてしまったらせっかくの仲直りが台無しだ。
それ以上のことは何もなかった。そう信じよう。危ないけどな、かなり。
俺は今の立場では、ひよりを確実に自分のモノにする事はできないんだよ、ひよ。
「わかった、もう聞かないから、ひよ、顔上げて」
顔を上げたひよのピンク色の唇に、優しいキスをした。
「ねえ、遼ちゃん」
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