第三首 ホワイトデー -參の句- 昔々の物語。

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第三首 ホワイトデー -參の句- 昔々の物語。

    1 「“若紫(わちし)”はお前、“三木みさと”という一人の男に、恋焦がれても、良いのかえ?」  短くも、わちしの精一杯の問いかけに、みさとは感嘆の声を漏らしただけで、彼の表情は、出逢ったときと同じように固まってしまっている。……返事は、すぐに、此方(こちら)(たもと)へ届けられそうもない。
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