風は歌を奏で

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風は歌を奏で

 ――私は、いらない子だった。  私はこの世に生まれてから“一度も”両親から愛してもらったことがない。  父は……私が物心つく前から既にいなかった。  母は……私がいるせいで『自由に生きられない!』と、いつも私を殴っていた。  そう――私は望まれた子じゃない。  だから……だろうか。  私が少し成長したところで、私の母は、私を――  ――売った。お金と引き換えに、私を売った。
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