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「反抗期専門の病院ってあったっけ……いやいやそんなの聞いたことないし、でも私が知らないだけで実はありましたー、なんてことがないとも言い切れないし……う~ん……」
「――あのぉ」
悩み続けている風歌さんに、私は声をかける。
「こういう時、今の若者だったら即座にスマホで検索するんだろうけど、私……あれ苦手だしなぁ……でも我が娘の為と思えば、例え火の中でも――」
「……おかあ、さん?」
「はいどうしたのお母さんはここにいるよ何か用かな!? いや用が無くてもお母さんは風音の傍にいるけどね!」
『お母さん』――と呼んでみたら別人のように切り替わるその速度。
……思わず絶句してしまう。
そう――これが私の新しい母親の風歌さんだ。
私という“娘”が出来たことで未だに大喜びしている“母親”の姿だ。
世間の『母親』とはこういう感じなのか、とふと思ってしまう……けど。
それでも――以前の母親に比べれば、とても優しく、暖かい。
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