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「ていうか、風音。いつまでそうしてぼーっとしているつもり? いや、確かに寝起きは頭が働かないけどね。それはものすごぉく分かる。でもね、もう朝なんだからそろそろ起きないと」
「……そう、ですよね。朝ですから、起きないと」
朝――なるほど、風歌さんにもらったこの部屋が妙に明るいのはそれか。
窓から太陽の光が入っているから、明るい。
施設の中にいた時は、もう二度と太陽の光など浴びることはないと思ってたのに。
私は、また――この太陽の下で、青空の下で生きているんだ。
「ほら、サッサと顔を洗って来なさい。せっかくの“美人さん”が台無しだよ?」
風歌さんに言われた通り、私はこの家の洗面所に向かい。
そこで水で顔を洗い――そして鏡を見る。
――――、
「……醜い、なぁ」
鏡に映った私の顔に、私はそう呟く。
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