シローがユーキで、ユーキがシロー

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夢かと一発頬をビンタしてみた。 痛い。 つねってみようか。 痛い。 どうやら夢ではなさそうだ。 暗い部屋でもだもだしても仕方ないと電気のスイッチを探すと、枕元にリモコンがあったので、ぴ、と押す。 目も頭も眩みそうな突然の灯りに頭もすぐにはっきりしてきた。  …………つまり、俺は今シロちゃんの身体に憑依? している感じで……シロちゃんの身体は今、俺のものというわけで。 そうなると俺の身体は今誰のものだ?  あぐらを掻いて、腕を組んで思考数秒。 まずの回答が出た。 整理しよう。  ここはシロちゃん家、もといヘースケの家の一部屋。 そこで寝ていたシロちゃんに俺がお邪魔している。 今日は休日、土曜日。きっと俺の本体は起きていない。 気づいているのは俺一人。 体調の変化はなく、むしろだるさがないこの体は何だ羨ましい。 つまり体調、体力ともにシロちゃんのものというわけで、精神だけ、と落ち着けるのが妥当か。 ゆるりと腕を解いた。
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