シローがユーキで、ユーキがシロー

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 ……なんだっつーんだ、何かの呪いか!? 呪い道具なんか何もねぇしあるのは壁だけ──壁の呪いか!? 俺が何したっつーんだよ……いや待て落ち着け、慌てても良い事なんか起きない。 起こすのは、本体の俺。  そう思いスマホを起動し、タップする。 自分のスマホに電話だ。 呼び出し音が鳴る中、布団の上に立ってうろうろし、はっとした。 休日前の俺はスマホを完全にミュートする。 眠りを妨げるもの一切を排除するのだ。 天を仰いで自分を呪う。  つーかシロちゃんと電話番号交換してなかったか……いれとこ。  そうなると余計動けるのは俺一人。 まずはヘースケが寝ている内に──寝てんのか? と、そろりと動いて部屋のドアを静かに開ける。 耳を澄ませ、多分寝てる、とまたドアを閉めた。 ヘースケの不規則な生活リズムは読めるはずもない。
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