シローがユーキで、ユーキがシロー

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「……よし」  俺は着替え、と近くにあったジャージを手にする。 それにレギンスと短パン──まじかよ、走ったりしてんのかよシロちゃん。 けれどちょうどいい、と服を脱ぎ散らかす。  くそ……良い体してんなぁ。  割れた腹筋を服で隠し、スマホだけでいいか。 勝手知ったる人の家、玄関にそろそろと向かい、俺はヘースケの家を出た。  着くのは約三十分ってとこか、寝起きに走るとかいつ以来だよ……。 ────  健康的にジョギングした俺は自分のアパートについた。 息切れが少ない身体を羨ましくも憎みつつ、インターホンを押す。 あれから何度か電話をかけたが一向に出る気配はない。 六時少し過ぎの今、果たして起きるか──起きた。 なんだ? めちゃめちゃぶつかってるような音が──。
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