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一章:4月の君と出会った日
私は鷹見 尚。高校二年生。今の季節は初夏、6月。
「転入生が来たぞー。入れ。」
入って来たのは、五年前『凍結睡眠(コールドスリープ)』で入院してしまう前までは幼馴染で親友だった古宮 蒼だった。私と同じく五年前まで蒼の幼馴染で親友だった古河 忠もポカンとした顔で蒼を見つめている。
「古宮 蒼です。凍結睡眠で入院していました。よろしくお願いします。」
「「蒼…っ!」」
「尚、忠…!会いたかったよ、五年前俺が入院してからずっと。」
「私達もずっと会いたかったよ、蒼。」
事は十年前の4月。私と忠は五歳で蒼は七歳だった。
その日は忠が家族で静岡県に旅行に行っていていなくて、確か蒼と私の二人で公園で遊んでいた。
そして、確か蒼とベンチに座って…。
そうそう、「好きだ。」って言われたんだ。けど、返事をする前に蒼が用事があるって帰って…それから返事出来てなかったよね。
もう、今となっては分からない。あれが嘘なのか、本当なのか。
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