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第3章 夜が明けるまで
玄関ホールの案内板の指示どおりに廊下を歩きながら友弘はふと考えた。この子は何故野犬に襲われていたのだろう?
そして何故コンビニの方に逃げて来ずこの学校に続く坂道に逃げてきたのか?
そして、あの野犬に何故自分が勝てたのか?
不思議なことはまだたくさんあった、それらの答えを今彼女に求めるのは問題だろう。
なぜそう思うのか?
彼女は表向きは平常心を取り戻しているが、内心はきっとまだ興奮しているにちがいないから、それ以前に自分自身がまだ落ち着いてはいないだろう、こんな調子で彼女に質問すれば、きっと彼女にとどめを刺す発言をしてしまうだろう。
それに彼女が全てを知っているはずがないのだから。校舎の窓越しに再び野犬達のうなり声が響きわたる。今はとにかく自分たちの安全を確保しなくては。
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