おみやげとおみやげ

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 怪談話など、中学に上がれば話す話題でもないから、他校から進学してきたクラスメイトとすり合わせることもしなかったから、純粋に分からない。生活様式や存在する特別教室や施設はどこも同じだから、似たようなものが揃っているような気もするけれど。そういえば小学校の理科室にはホルマリン漬けのカエルは置いてなかったから、動くと噂されていた標本は人体模型とガイコツだけだったなとは、ぼんやりと記憶をたぐる。ガイコツは人骨を使っているとも言われていたような気もする。 「ま、あたしの代もあったから、あったよーって言って。ハルちゃん……あ、姪っ子の名前ね、ハルちゃんがどんなんだったって言うから話したんだけど、時代の流れって残酷だねー。放課後ひとりで遊ぶと首を吊りたくなるブランコも、いじめで閉じ込められた女の子の声が聞こえる焼却炉も撤去されてるらしくて、そんなのないよって言われた」 「加賀さんの時ってまだ焼却炉使ってたんですか?」 「とっくに使ってなかったけど、使用禁止のままゴミ捨て場に置いてあったんだよ」 「あー、そっち」 「兄貴が在学中に使わなくなったって言ったから、最低でも十年以上放ってたと思うけど、本気でボロくなったんだろうね」 「モノって使わないと一気に朽ちますもんね」 「朽ちると言えば、建物の老朽化と生徒の数が減ったとかで、三つあった校舎のうち一番古いやつ潰してたから、そこ絡みの『開かずの屋上』の噂もなくなって」 「じゃあ今何不思議になってたんですか?四不思議ぐらい?」 「それがさー、七不思議なんだよね」
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