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「龍吾……これは……?」
凛花の手に、龍吾の今手に持つ全財産。
凛花は戸惑い龍吾を見つめる。
「身体一つで逃げ出して来たんだろ?
これを持って、とりあえず出来る限り逃げて欲しい。
ごめん、今は……これしか出来なくて」
龍吾は自分の上着を羽織らせた凛花を抱き締める。
「龍吾……龍吾はどうするの……!?」
「田崎のとこに、乗り込む」
「――……!?」
「凛花を……自由にしてやってくれって、直訴してやる」
「り……っ、龍吾……っ!
そんなの……っ!」
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