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口にくわえていたタバコをパッと取った龍吾は、ライターと共にそれをズボンのポケットに入れ周囲を確認しながら凛花の元に駆け寄った。
凛花はその姿を見た瞬間、両手で口を覆う。
込み上げる涙を押さえきれなかった。
――龍吾……――!
「こんな時間に……大丈夫なのか?」
凛花の、口を覆う手を外そうと、そっと手首を掴んだ時龍吾は目を見張った。
ブレスレットで隠してはあったが、その手首には痛々しいアザがくっきりと残っていた。
「凛花……」
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