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――龍吾に迷惑がかかるかもしれない……
「後生だから――……。
後生だから……お願い……私を……抱いて――……!」
ムリでもいい。
断られてもいい。
ただ……“最期”に想いを聞いて欲しかった。
龍吾……貴方を……愛してる――……!
龍吾が凛花の腕を掴んだ。
「来い」
「え……?」
「ここじゃ……出来ないだろ……?」
龍吾は凛花の手を引き、迷路のような路地裏を縫うように走り出した。
雲が広がり始めた空からはポツポツと雨粒が落ち始めていた――……。
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