籠の中

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  顎に指を掛けられ、凛花の背筋に冷たいものが走った。 黙って見上げる彼女に田崎はニヤリと笑う。 「暫くは店に出ろ。 お前の客達から極限まで金を巻き上げるんだ。 その後は……」 その後は――…… その先の言葉はもう虚ろな目をした凛花の耳には入らなかった。 今夜もきらびやかなネオンが光り輝く、虚飾の夜が始まる――……  
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