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「おいおい龍吾、気を付けてくれよ。何かあったらお前の給料から差っ引くぜ」
酒屋店主の思わぬ言葉に慌てた龍吾がカウンターに酒のケースごとぶつかったのだ。
すみません、とマスターに頭を下げ店主の方に向き直った。
「なに言ってんだよオヤジさん」
ケースを置き、伝票を受け取りながら龍吾はごまかす。
「この辺りの仲間連中、皆噂してるぞ」
肩を竦めて腹を揺するように店主は笑う。龍吾は苦笑いしながら受け取りのサインをした。
噂してる、か。そういやーー、
龍吾がふと何かを閃きかけた時、背後からボーイ仲間のシュウが声を上げた。
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