無鉄砲と周到

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 開店準備中のローザに酒屋が酒を運び入れていた。 「そこ置いといてくれー」  マスターがグラスを拭きながら恰幅のいい中年の男に指示した。 「龍吾、伝票受け取っといてくれ」 「はい」  フロアの掃除をしていた龍吾はモップをソファに立て掛け、酒屋の店主であるその男の、酒の運び入れを手伝い始めた。 「おう、悪いな龍ちゃん」 「いや、気にしなくていいっすよ」  軽く手を横に振り酒の入ったケースを受け取り運ぶ。 「そういや」  酒屋の店主が思い出したように話し出す。 「龍ちゃん、田崎さんとこ殴り込みに行ったんだってな」  ガチャンッ!という派手な音が店内に響き渡った。
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