兵藤の手紙

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  ガラスを挟み、互いに牽制するような色を見せる視線が行き交う。 その視線を先に外したのは兵藤だった。 彼はフッと笑いながら口を開く。 「バカだな。 彼女がそんな事を俺達に言ったりすると思うか」 龍吾は黙って兵藤を見詰めていた。 ――そうだ。凛花はそんな事を保さん達に話すわけない――…… では何故保さんはこんな事を言い出した――? じゃあそろそろ……と兵藤は椅子をガタンと鳴らし動く。 「もうそろそろ出られるんだろ?」  
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