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それでもセイジに対する義理があるのなら、お前を手放す事はアイツが凛花にした事に対する“償い”だと思えばいい。
凛花を幸せにする事で、セイジに義理を返せるだろ?》
スゲーこじつけだ……と龍吾は苦笑いした。
《俺達の事は、お前の記憶の片隅に置いといてくれればそれでいい》
自分がこれから歩む道を決断させる言葉が、手紙の末尾に結ばれていた。
その一文で、面会最後の日、兵藤が言った言葉の意味が分かった。
《凛花はお前の――……》
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