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そう言いながら割烹着姿の初老の女将が段差のある勝手口をよいしょと上がる。
「ありがとうございます」
凛花は切られた具材を綺麗にバットにのせていきながら微笑んだ。
「憲吾ちゃん、誕生日やけー。
なんかエエもんぎょーさん積んで来とるかもしれーん」
ニコニコしながら女将が言った。
「さあ、どうでしょう……」
手際よく調理場で働きながら凛花も楽しそうに答える。
下ごしらえが終わり、それらにラップをかけたところで女将が言う。
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