兵藤の手紙

3/10
前へ
/36ページ
次へ
   またいつか……と最後に凛花は龍吾の首に腕を絡め頬に軽くキスをし、保安検査場のゲートを潜り抜けて行った。 彼女は振り向かなかったが…… その細い後ろ姿が泣いてるのが分かったから、龍吾は凛花が見えなくなるまで、その場所から動かず彼女を見送った――――。 今別れたら……『またいつか』などないかもしれない、そんな不安は心の何処かにあっても、2人は最後までそれを口にはしなかった。 ――……信じたかったのかもな…… いつか一緒になれるって―――― †††  
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加