兵藤の手紙

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  便箋2枚程度の長くはない、その手紙。 だがそこにしっかりと籠められた、兵藤と……剣崎の想いを龍吾は噛み締める。 《龍吾》 手書きで達筆な保の字。 《この手紙を書いた後の面会が、お前に会う最後だ》 書き出しの文章で、龍吾はあの日が兵藤との“別れの日”だった事を知ったのだ。 ――……セイジさんも保さんも……何も言わねーんだからな…… 複雑な想いが彼の中で交錯する。 《俺達は、世間で言うところの“間違い”というヤツを数々重ねて手を汚してきた。  
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