9人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
便箋2枚程度の長くはない、その手紙。
だがそこにしっかりと籠められた、兵藤と……剣崎の想いを龍吾は噛み締める。
《龍吾》
手書きで達筆な保の字。
《この手紙を書いた後の面会が、お前に会う最後だ》
書き出しの文章で、龍吾はあの日が兵藤との“別れの日”だった事を知ったのだ。
――……セイジさんも保さんも……何も言わねーんだからな……
複雑な想いが彼の中で交錯する。
《俺達は、世間で言うところの“間違い”というヤツを数々重ねて手を汚してきた。
最初のコメントを投稿しよう!