オレンジジュースは、好きですか？

いつもの席に、彼はいない。

しばらく彼を見れず、悲しい気持ちになった。
彼はいつも、決まった席に座る。
そんな私も決まった席に座る。

彼に、一目惚れでした。

彼に一目惚れしたのは、先月から。
彼に不審に思わられても嫌だったから、いつもガラスの窓越しに彼を見ていた。

彼は決まっていつも、オレンジジュースを頼んでいた。
ここのオレンジジュースは、100%果汁で果肉入り。
私も大好きで、なんだか勝手に親近感が湧いた。

でも、先週から彼を見ていない。
きっとあの時だと思う。

何か彼が私に言おうとした時よ。
友人が割って入って、なんだか気まずい空気が流れたわ。
私は彼が何か決意したような顔を窓越しに見てたもん。

でも、まさか私に話かけてくれると思わなかったし、そんな感じになっちゃったから、私も恥ずかしかったわ。

あの時、彼は何を話そうとしたのかしら？

またいつもの癖で外の景色を見てたら驚いたわ！！！
彼の姿が、突然窓に現れたわ！
やだ、またオレンジジュース頼んでる。

どうしよう？
なんだか、いつもと調子が違うわ。
今日の私はなんだか緊張してる。

彼はどうなんだろう。
窓越しに見ると、彼はさっきから俯いたまま。
前回のアレが響いちゃってるのかな。

私から声かけてみようかな？

でも、なんて声かけたら良いの？
これって、逆ナン？
私、したことないし！！！

でも、この機会を逃したら何だかいけない気がしてきた！
やってみよう！

前回彼は確か、「おれ」って言ってたのは微かに聞こえたの！

おれ・・・
おれ・・・
おれ・・・

あぁ！！
そういう事ね！
彼もちゃんと私の事、見ててくれてたんだ！
なんだか嬉しくなってきた！

勇気を振り絞って立ち上がり彼の前に立った。
彼ったら、驚いた様子でまじまじと私の顔を見てる。
いつも窓越しの彼しか見てなかったけど、間近で見たら結構イケメンじゃん！！！

ちょっと緊張したけど、彼に私は聞いた！