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完璧
今日、私は自殺する。
私の自殺の計画は完璧、ではなかった。だが、私達の計画は完璧だ。
私の完璧な計画を壊した寧々は、あの時屋上でこう言った。
「死なないで。私と自殺して」
それから、私達は完璧な計画を作った。
そして、寧々は自殺した。 屋上から飛び降りて。
自殺しようとしている私をずっと説得し続け、私がついに飛び降りようとした時に庇って死んだ。というストーリーが大人達や同級生達によって勝手に出来上がった。もちろん、真実ではない。だからといって、真実を話さなかった。私は、自分がいくら悪者になっても構わなかった。なぜなら、私達の完璧な計画を作り上げるためだ。
それから私は、寧々の死について知りたがる者が出てくるのを待った。すると、6ヶ月後に寧々の死について知りたいものが現れた。だが、私はすぐには、話さない。3ヶ月彼が聞き続けるのを待ったのだ。理由は簡単。私と一緒にいる彼を充分という程、周りに見せるのだ。そうして、私が自殺した時に、彼に皆が理由を聞く。
そして、完璧犯罪になる。
正直、彼が3ヶ月聞き続けるという保証はなかったが、彼がダメなら、次を待つだけだ。寧々がとても慕われていたのだから、また次の機会が来るだろうと考えていた。そうして、私は私が自殺するための、準備を終えた。
今から私は自殺する。
私達の計画を完璧にした。
ちなみに寧々が自殺したいと考えた理由は全く知らない。
では、あの世で。
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