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外ではパトカーと救急車のサイレンが響いていた。
「お騒がせしました! 皆さんはお部屋に戻っていて下さい!」
小林巡査の声が聞こえている。あれだけの騒ぎだった。近所中の住人が何事かと集まって来ているのだろう。
救急車は2台来ていた。綾と珠樹二人分である。野次馬で騒然となった現場では珠樹を取り囲んで警官達が現場検証を始めていた。徐々に増えていったパトカーは最終的に5台にもなった。
「急げ! こっちは緊急を要するんだ!!」
怒鳴る小林巡査。その後に続いて担架で綾を運ぶ救急隊員。広志も必死の形相でその後ろに付いていた。
「瀬川さんも救急車に乗って! 綾さんを診てやって下さい!」
「ハイッ!」
広志を押すように救急車に導く小林巡査。
「私が証言します。綾さんが包丁を取ろうと揉めた末、誤って窓から犯人が転落した一部始終を目撃しましたから・・・!」
「え?」
「安心して下さい瀬川さん、お疲れ様でした。急いで!」
小林巡査は力強い眼差しで広志を見て頷く。
「ありがとうございました!」
固く握手を交わした二人。
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