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第1話 「いきなりEND」
…なんだぁ……ここは…??
頭が逝っちまったか…?
さっきまで廃ビルで解体してたよな?
返り血は…うん、あるな。ナイフは…4本か……
記憶は合ってるな。
確か、足元から光が…
黒のTシャツに黒のズボン。両方共に血がやや染み込んでいる。腰に4本のナイフをぶら下げている。黒髪でオールバック。眼つきは鋭く、悪い。子供が泣き出しそうなぐらい人相悪い。
……まずは状況把握。これ、大事。
西洋の城…か…?王の謁見の間のような場所で、正面に階段があり、その上に王冠を付けたうるさく着飾り、踏ん反り返った太ったおっさん。隣に宰相みたいな髭ジジィ。
俺の周りを囲むように5人の姫っぽい女が倒れてる。黒・茶・白・赤・金の髪色だね。ふむ…取り敢えずは生きているようだな。
左右に甲冑を着た近衛兵46人とローブ被った連中10人。後ろに…お、出口か。おけ、把握。
……てか、おっさんたちも兵士たちも動揺してんな。
訳ワカンねぇ言葉話してやがる。
日本じゃねぇだけじゃねぇな…聞いたことない言語だねぇ…
ローブを被った1人が近付いてくる。指輪を差し出しながら話しかけている。
つけろってか?
王「私の言葉が分かるかね?」
おぉ、言語が分かるぞ!
すげぇなコレ。
「あぁ、分かるぞ。」
だが、ますます分かんねー。ファンタジーって奴過ぎんな。やっぱ、俺イかれたか…?
宰「血だらけなのは、動物を解体してたからか?向こうの世界で腕の立つ狩人なのだろう。」
あぁ、それで動揺していたのか。変な勘違いもしてるな。
王「そなたを異世界から呼んだのには理由がある。……私たちを助けて欲しい。その為に娘たちは命を懸けたのだから。…おい!専属の召使いを呼んで娘たちを連れてけ!」
兵「はっ!直ちに!」
兵士が扉を開け、謁見の間から消える。その間も姫たちは放置されたまま。
へぇ…異世界ときたか……ゲームっぽいねぇ。
だが、それならこの状況に納得する。異世界に来たのかぁ…少しは楽しめるかな?
それにしてもこいつ………気にいらねぇなぁ…
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