一章:オオカミ少女

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一章:オオカミ少女

ヴァンパイア…通称ヴァンプがこの学園には何人も居る。彼だって、表の顔はイケメンで性格も良い学園の王子様だけど、裏の顔はヴァンプだ。その事を、先日知った。 私は四ノ宮 杏子。『あんず』なのによく『あんこ』と呼び間違えられるのが悩みだ。 今の季節は高校二年生の初夏、つまり六月だ。街我谷学園も夏休みが近づいて来ていて、日々生徒達がパーティーピープルになってきている。教師達も何だか浮き足立っていて、私も気持ちがそわそわしていた。何故か?全校生徒達に『彼氏が居る』と嘘をついているからだ。そして夏休みは彼氏と夏休みの宿題を彼氏の家で一緒にやったりー、沖縄に泊まりで旅行に行ったりするんだー、というような沢山の嘘を吐いている、正真正銘のオオカミ少女だ。 私がオオカミ少女だから知れたのだ、学園の王子様の裏の顔を。
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