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常務にがんじがらめにされ
サエコは外との関りを完全に断たれた。
夜、常務の家で
「・・・サエコは・・・僕を裏切らないよね?」
常務がサエコを椅子に座らせて
後ろから声をかける。
後ろ手に紐で縛られてーーぞくぞく、した・・。
「・・・・」
「僕だけのサエコに、なってくれる?
僕はもの凄くヤキモチ焼きだからね・・
自分のモノに何かされたら許さない・・わかるよね?」
「・・・・・」
常務とのお付き合いは当然、ほどなくしてバレてーー
社内でも『玉の輿』だと噂された。
サエコは憂鬱だった。
ーー常務・・リクトさんのことも・・立場があるから仕事で困るだけで、嫌いではない。
でもたぶん好きには・・・ならない
カラダの相性は・・正直、悪くない・・むしろ、今までですごくいい。
知らなかった気持ちよさを一番教えてくれる・・・
ーーリクトさんは『嫌がる相手を抱くのも・・何とも言えなく・・いいんだよ』と言った。『だから、僕のことは好きになれなくていい。僕の支配欲が止まらなくなって、余計ぞくぞくするから・・・』と笑った・・。それは嬉しそうに・・
彼なりの溺愛なのか愛情表現なのか・・そもそも、女性をこういう愛し方しかできない人なのか・・
常務はお手伝いさんも雇っていて、自宅でサエコには何もさせなかった。
肌を手入れして、キレイにして、抱かれるだけの・・・まるで人形かおもちゃ。
常務はサエコを常にそばに置きたがった。
10月15日が近づく。
ーー10月15日になったら・・きっと、この『常務ルート』もリセット?
『レイ』に・・また・・会える・・?
それとも・・?
このままなら・・・もう、常務からは逃げられる気もしない・・・
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