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10月15日の夜が来た。
サエコはまだプロポーズの返事をしていなかった。
この日も常務は情熱的にサエコを抱く。
常務のたくましいカラダは筋肉が張って肌触りが本当によかった。
この日も色々な体位で何度も繋がって
ーーサエコを組み伏せて、常務が激しく入ってきた。
「うう・・あ・・・んん」
常務は・・エッチで・・とても上手で・・サエコは震える。
「あ・・いく・・また・・・いっちゃう・・・・
・・・・・・・!
う・ん・・・はあっ・・!!」
「はっ・・可愛いな・・」
ーーちょっと過激でひどいことをされても、恥ずかしいことをさせられても、終わるとリクトは必ずサエコを優しく抱きしめた。
「サエコ・・」
「・・・」
サエコは後ろから包まれるように抱かれて、リクトの顔が見えない。
「愛してる・・」
「・・・」
耳元の。リクトの声は震えていた。
「大好きなのに・・・こういう愛し方しか、出来ない・・僕は、おかしいんだろうな・・・」
「・・・・・」
「政略結婚で結ばれた父親と母親が、どっちも浮気性だったからかも、しれない・・・
愛のない両親に育てられたからかも、しれない・・・
でも、サエコを僕のモノにしてからは・・・
僕の心は・・・サエコで満たされようとしているんだ・・・」
サエコはリクトの方を向こうとしたが、リクトの腕が阻んだ。
「君がいれば・・・僕は、少しずつ、きっと、変わる・・・変われる・・
サエコを大切に、したい・・・
どうか・・サエコも、いつか・・・僕を、心から愛して・・・くれ
サエコの一生と愛が欲しい・・・
君の人生を・・・僕にくれ・・」
リクトの声はほんの少し涙声でーーサエコも、少しだけ、目が潤んだ・・・
ーーこんな形でも・・男と女には・・・情とか、愛とかが・・・生まれるのだろうか・・・
リクトさんが・・変わろうと、している・・・?
このまま一緒にいれば、リクトさんを理解して、いつかは、好きになれるのかなーー?
「好きだよ・・・サエコ・・・
僕に笑って・・・
大好きなんだ・・・
何があっても。
離さない・・・
お願いだから、サエコも僕を愛して・・・」
ーーリクトの腕に包まれて
何も言えないまま
甘いだるさの残るカラダと人肌の温かさに瞼は重くなって
サエコはいつしか眠りについたーー
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