情報システム部・真鍋武尊(マナベタケル)

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ーーあ・・・朝・・・ 目が覚める。 ーー・・きっとまた、9月16日に戻ったんだ・・ 2回目ともなるとサエコは驚かなかった。 最後のリクト・・常務の姿にほんの少し胸は痛んでーー 今度は誰なんだろ・・・ はあ・・・今更だけど、お酒、控えた方がいいな、あたし・・・ 目を開くと、天井が鏡。 ーーああ、ラブホだ・・・ 広いベッドは乱れて、隣でシーツにくるまる、人間サイズのふくらみ。 サエコはベッドの上で上半身を起こした。 隣のシーツから、明るめの茶色の・・・直毛が覗いている。 見覚えは、ない。 ーーえ、誰かな? シーツのふくらみの中の人は、スースーと寝息をたてて、一向に起きる気配もない。 サエコは静かにシーツに手をかけた。 そーっとめくっていく。 ーー端正な・・・顔 若い・・・ ん? あれ?この人、ホントに誰だろ?! 知らない人だ・・・ サエコは自分がイヤになってきた。 ホント、お酒の飲み方・・・考えよう。 サエコはもう『ルート』なんてどうでもよくなって。 黙って帰ろうと、そっとベッドから降りると 服を拾って着ていった。 身支度を何とか静かに整えて、一応なんとなくベッドを確認して 音をたてないようにドアに向かう。 そっとドアノブに手を掛けた時、ピロン!と携帯が鳴った。 ーーモエ、か 小さく息を吐き、携帯を開く。
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