情報システム部・真鍋武尊(マナベタケル)

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「やっぱ、サイコー・・・気持ちよかった・・・」 男の肩が上下している。まだ、荒い息。顎の汗を拭って、サエコに覆いかぶさるタケルがサエコを見下ろして微笑んだ。 「今、フリーなんでしょ?サエコさん」 「うん・・・まあ」 ーーこの日の私に、彼氏はいないけど・・・ 「俺もだから、取り敢えず付き合おうよ! こんなに肌が合う女の子は初めて」 「・・・ん」 ーー女の子って年でもないけど・・・ ・・・私も、こんなにキスがうまい人は初めて。 断る理由もない。まして今は・・・『ループ』の中だし。 「わ!マジで?サエコさんも、俺の、よかった?」 「ん。 タケル君・・・年上でもいいの?」 「ははっ 当たり前じゃん。 ・・・あんなに啼いて。 やっぱ若い男っていいんでしょー?俺、一日中でもできるよ」 こうしてサエコは、情報システム部2年目の真鍋武尊(マナベタケル)と付き合うことになった。 月曜日、出勤中 「おい、サエコ お前・・・飲み会の後、勝手に姿消したな? 結局誰と帰ったんだよ ・・・ったく電話しても出ねえし」 電車を降りたところで、トモキに詰め寄られる、サエコ。 「あー・・」 2人は歩きながら話す。 「・・・まさか、持ち帰られて、また誰かとヤったのか。」 サエコの態度から察したトモキはみるみる不機嫌になった。 「あー・・・ うん。」 若い頃から、何度かあるお酒の失敗。 トモキはよく知っている。 サエコが認めると トモキが 「はあ?」 とじろっと睨む。 「お前、超絶酒弱ぇーくせにいい加減にしろよ!! そんな誰でも彼でもホイホイついて行って!カラダすぐ許して!! 誰でもいいんなら俺と付き合えよな! なんで俺だけはダメなんだよ!」 トモキは語気強く言うと進路を阻んだ。 サエコの腕を掴む。 「トモキ・・痛いよ」 サエコは顔を歪めた。 「昨日の相手は誰なんだよ!! 情報システム部の奴だろ?」 「・・・」
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