情報システム部・真鍋武尊(マナベタケル)

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「オッハヨー! なになに・・?難波係長とサエコ・・朝から痴話げんか?」 素っ頓狂な声。後ろからモエが来た。 「長野さん!あんたもなあ サエコが酒弱いの知ってんなら、最後まで面倒見てやれよ! あぶねえから2次会までは気ぃつけてたのに2人して俺を撒きやがって 探しに行ってもサエコは焼き鳥屋行ったって・・・場所は知らねえって言うし 携帯は繋がらねーし 夜中まで焼き鳥屋っていう焼き鳥屋を探しまくったんだぞ!」 「あーね。・・・サエコまたやっちゃったのか」 モエが苦笑いする。 「まあまあ難波係長、私は保護者じゃないし当たらないで! サエコも立派に大人の女なんだからね!」 「絶対、別れさせるから」 トモキはサエコを睨んだ。 トモキには、ほどなくサエコの相手が情報システム部の入社2年目の『真鍋武尊(マナベタケル)』と知られてーー ある日の午後、給湯室で皆のお茶の用意をするサエコの背後に立つ、影。 「・・・サエコ」 チラっと見ると、それはトモキだった。 「・・・どうかされましたか?難波係長」 「今度の奴は随分若いな ・・・あいつは遊びだぞ」 「そうでしょうね、別にいいんです」 淡々とお茶の用意をしていく。 ーーそもそも『結婚』なんて考えていないサエコには、『遊び』でも、ちょうどいいぐらいだ。 考えたくはないけれど、自分の身の奥にも確実にある、性欲。 時々それが満たされれば、今は、それでいい。 カラダへの愛、しかいらない 「・・・俺にはわからん」 トモキはため息をついた。 「お前を愛してるって何度も言ってるのに・・・ なんであんなちゃらい奴なんかに・・・」 ーーそれは。 トモキも私にいずれ『結婚』を求めるから・・・『愛』を求めるから・・・『心』を求めるから 「サエコは、あいつが『好き』なわけじゃない。 そんなことはわかってる。 ・・・遊びならよくて、本気がダメとか・・・ 女のお前が考えることが、俺にはわからないよ」 ーーー・・・ サエコは手を止めた。 私は、カラダはよくても、『心』は愛されたくないーー? そうなんだろうか・・・
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