初めてのひと・巽涼(タツミリョウ)

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ーー朝・・・ 目が覚めると、久しぶりの自宅アパートの天井。 ーーあ・・また、9月16日に戻ったんだ・・ ーー今度は、誰なんだろう・・・ 誰かの気配にはとっくに気づいていたが、おそるおそる、見ないようにしていた隣を見るーー 「おはよ・・」 目が合って、びっくりした・・ 「巽(タツミ)さん・・?」 横向きで、サエコを向いて、肘をついて頭を支えているのは・・ サエコの『初めて』の相手、巽涼(タツミリョウ)だった。 自然な感じで顔を寄せられ、サエコはキスをされた。 「お前、めちゃ酔ってたけど、ちゃんと覚えてるか?昨日のこと」 「・・覚えてない」 サエコの初めての、相手。 一気に17歳の記憶が戻ったようで・・当時のワクワクとか、キラキラがサエコの心に昨日のことのように浮かび上がった。 いいことばかりでもなかったけれど・・・ ーー青春時代って、あの時のことをいうんだろうな。 自分の目が懐かしさに輝くのが、サエコにもわかった。
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