初めてのひと・巽涼(タツミリョウ)

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「昨日、前から気になってたショットバーにフラッと寄ったらお前がいてさ 10年ぶりなのにすぐわかった・・ お前、めちゃ酔ってて・・あんまり色っぽくてうまそーで、さ。 お前の住所は一緒にいた子に聞いて。 で、ここまで送って・・当然そのままいただきました(笑) ま、減るもんじゃなし。いいだろ」 サエコは困ったように笑った。 ーー変わらないな・・・ 「・・・お前、大人の女になったな」 巽は、感慨深げにため息をつくように言う。 「めちゃくちゃ、やらしかった・・カラダも、啼き声も、顔も・・すっげえ女っぽい。たまらんかった・・・。 ・・・あれから10年か・・・お前、いい男に、抱かれてきたんだな」 「巽さん・・・」 巽は、サエコの当時のバイト先の先輩で、17歳の時サエコが告白されて、巽が就職するまでの1年間、付き合った。 サエコの初めての、彼氏。 巽も、トモキに邪魔されたうちの、1人だった。 「抱いた後でなんだが。一応聞いとく。 今は?彼氏、いるのか?」 サエコは首を振った。 「今日は、いない・・」 ーー『戻った』今日は、トモキとも常務ともタケルとも、まだ、何も・・・ 「『今日は』?フッ・・・ そうか・・もしいても、かまわないけど」 巽は息をついた。 「・・もう一回」
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