初めてのひと・巽涼(タツミリョウ)

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「・・サエちゃん・・・?」 巽は驚いた様子で、その場に立ち尽くした。 心ははっきりしているサエコも、実際肉体としてのカラダは酔っていて、 傍目には完全に酔っぱらいだった 「・・あー」 お酒で真っ赤なサエコに巽は近づく。 ニヤニヤと笑っている。 「マスター、ごめん、タクシー呼んでくれる?」 モエが笑って涼しい目で言う。 「あー・・・カッコいいお兄さん、 サエコの知り合いなんだ?」 会釈して、巽はサエコの腕を取った 「サエちゃん、・・・住所言えるか」 ーー言える・・あれ。言えない 「んー・・」 「おい、寝るな」 ーー頭がボーっとした。 モエが何か言ってた サエコはそのまま巽に寄りかかって 自宅に送ってもらったーー その後で、情報システム部が店に来たことも、常務が電話してきたことも、トモキが店に来たことも、知らずーー
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