初めてのひと・巽涼(タツミリョウ)

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「オハヨー! なになに・・?難波係長とサエコ・・痴話げんか?」 後ろからモエが来た。 「痴話って・・・腐れ縁なだけで・・付き合ってないの知ってるでしょ?」 サエコがモエに言うと、トモキが不貞腐れたようにサエコを睨む。 「腐れ縁ってなんだよ! 運命が離さない2人、だろが・・いい加減気づけよな」 サエコは醒めた目でトモキを見る。 「運命、ね・・」 ーーループしてる私には、よくわからない・・ トモキが『運命』なら、トモキで終わってたんじゃないかな? 「運命か必然かってね!」 モエがポンポン2人の肩を叩く。 「まあまあ、2人が仲良しなのは見てればわかるけどさ ホントに運命なら、何もしなくてもゼッタイ・・いつかくっつくからわかるよ 何があっても運命なら結ばれるんだから! さあ、遅刻する前に会社に行きますよー!」 営業課は今日も忙しい。 「月島さん、俺の次のアポ何?」 「13時にN社との打ち合わせが入っています、先方担当佐藤様、第三会議室です」 「ありがと!さすがだね」 「月島君、P社にサンプル発送手配して、これメモ」 「はい」 「月島さん、この条件でR社に見積もり、メールで出しといて!俺にCCつけてね」 「はい、わかりました、大野課長」 「月島さん、これ内容確認してから20部刷って、11時に第一会議室ね」 「はい、すぐに取り掛かります、佐伯係長」 「月島さん、仙台出張この予定で取って、泊まり、2名」 「はい、承知しました、一ノ宮部長」
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