255人が本棚に入れています
本棚に追加
プロローグ
とにかく暑い夜だった。
賑やかな夏祭りの喧騒を遠くに聞きながら、神社の境内の茂みの中で、誠司は煽られるまま、夢中で腰を振っていた。
「セイジ……最っ高じゃん」
誠司の額から汗がぽたぽたと流れても、組み敷いている男は気にすることはなかった。それどころか、ただ本能の赴くままに腰を振っている誠司を甘く褒めてくれる。
男に突っ込んで腰振って褒められて、バカみたいに嬉しくなり、一層腰を深く穿つ。
いつか冷静になれば、あのときはどうかしてたのだと思うのだろうか。きっと夏の暑さのせい。熱帯夜のせいだ、と―――
最初のコメントを投稿しよう!