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窓から射す心地良い日の光に艶やかな黒髪が映える。脱いだブレザーを椅子の背にかけたカッターシャツ姿の堺くんは、ミントガムのCMに出て来そうなぐらい爽やかだ。
シュッとした輪郭に似合う銀縁眼鏡の真ん中を中指で上げ、こちらに顔を寄せる。私が開いたページをよく見るためだとわかっていてもドキドキせずにはいられない。
ほんとにミントっぽい香りがする。柔軟剤かな。
「ここはこの式を当てはめるんだよ」
少し低くて透き通った声、さらさらと書き込まれた公式。
「ほんとだ、わかりやすい。さっすが帝大志望!どうもありがとう!」
慌てて返せば、「はは、どうも」と照れ笑いを浮かべた。
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