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少しの間があって、楓が尋ねた。
「実際のところ、殺人未遂での起訴は難しいんだろう?」
「まあ、現実的じゃないな。送検もしないんじゃないかな」
「だろうな。計画しただけで殺人未遂が成立するような世の中はダメじゃ!って声が聞こえてきそうだ」
「言われたよ。バカモン! と一緒に」
「ははは」
「本人が反省して背負って生きていくんなら、まあそれでいいという場合もあるさ。それにしても...明彦が何故自殺したのかは、依然 謎のままなんだよな」
「先生は、なんて言ってた?」
「おぬしには、わかるまで100年かかる」
「はははははは」
「笑い事じゃないぞ」
「実は、俺も聞いたんだよ。俺は死んでもわからないって言われた」
「ぶっはっは、俺より悪いじゃないか」
「そういうのは、目くそ鼻くそっていうんだ」
「はは、まあそうだな。俺が100年でお前が死んでも..って..なんだ?」
「ふふふ、先生、失恋でもしたんじゃないか?」
「ええ?」
「だって、俺とお前、と言えば朴念仁で有名だったらしいからな」
「そうなのか?」
「そうさ、俺達には『恋人』なんじゃないかって噂さえあったらしい」
「いやいや、それは困る」
「俺だって困る、ははは」
「でも、先生が失恋って、ふはは、それはないだろう、あの人が恋するとしたらブラッディ・メアリーとか?..あ、ベル・ガネスだと行方不明だから先生好みかもしれないな」
「ははははははは、それはあり得る」
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