第一章

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 自室まで戻ってきたら、部屋の前に制服の女性警官が立っていた。制服の階級章から巡査部長だとわかる。 「沢泉管理官ですね。初めまして、私は柿崎ゆかりといいます。本日より管理官のサポートと専用車の運転を担当いたします」 「そうですか。よろしくお願いします」 (サポートってなんだろう?しかし、これであの机の意味はわかった) 沢泉の部屋には 沢泉のためと思われる大型の机と椅子、の他に入り口付近に事務用の机と椅子が置かれていたのである。  沢泉が部屋へ入ると 柿崎も当たり前のようについてきて、当たり前のように事務用の机についた。 (なるほど、お目付け役かな) 沢泉は、13人いる管理官の中で ひとりだけの いわゆるキャリア組である。 現場あがりではないので、早く言えば「お守役」が付いたのであろう。 (うん?待てよ。巡査部長だったな) ここで、沢泉の推理癖が顔を出した。 (そうか、席が無いのか)
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