第一章

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「どうしたんですか?」  すっかり自分の席にしてしまった 入口の事務机で端末を見ていた 柿崎ゆかりが、ふいに顔をあげ尋ねてきた。よほど大きなため息をついたらしい。 「あ、いや、まあ、難しそうな事件だな とね」 「そうですか?」 「うん?君はそうではないと?」 「いえ、失礼しました」 「そうか」 「そろそろ、捜査本部の方に行く時間ですが」 「あ、じゃあ行こうか」 「はい」 柿崎ゆかりは、キャリアである自分に対して気を使ったのか? 沢泉は少し気になったが、今は事件解決が優先事項である。 ふたりはだまって地下駐車場まで行き、車に乗った。
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